|父を亡くしたことで、死を意識できるようになった
私たち人間は全員、早かれ遅かれ必ず人生の終わりを迎えることになります。それは、不慮の事故等で突如訪れることになるかも知れません。当然のことですが、未来のことは誰にも予測不可能です。
私が22歳の時、病が原因で父が他界しました。
父を失い「死は突然に、悲しみも突然に訪れるもの。」ということを思い知ったのと同時に、「道徳心を失わず、後悔しないように生きよう。」という考えが芽生えました。
また、恥ずかしながら終末期医療というのを知ったのもこの頃。「死が確定している患者の皆さんは、残された時間を、 どういう思いで過ごし、どう人生を振り返るのだろう…。」そう思ったのをきっかけに、終末期医療に関する本を多く読み始めました。
| 死が確定した方々の共通点は後悔
終末期医療の本を読み進めて行くと、どの本にも次のことが多く記載されていました。患者の皆さんが共通して抱えていること。それは「○○をしておけば良かった。」という後悔でした。
・もう片方を選択しておけばよかった。
・妻に対して、もっと正直に話すべきだった。
・もっと沢山、旅行へ行っていれば良かった。
・あの方へ、きちんと御礼を伝えておけばよかった。
・娘と素直に話すべきだった。
・会えるときに、会っておくべきだった。
・話せるときに、話しておくべきだった。
誰しも後悔をしないように生きているつもりでも、こうして死を現実に、死を目前に、死と向き合うことで「やっておけばよかったこと」や「伝えておけばよかったこと」というのが溢れてくるようです。同時に感謝の想いも溢れていました。
・もう1度「ありがとう」と伝えたい。
|父は後悔せず、生きられたのだろうか
私の父の人生は、後悔せず生きられたのだろうか。残されることになる母、わが子に対しての想いはどうだったのか。父の最期の声を聞けなかった私は、ずっと考えていました。
そうした中「終活」という言葉に出会いました。
・後悔しないために、やりたいこと、伝えたいことを整理できる。
・自分の人生を棚卸しできる。
・残された方へ迷惑をかけないようにできる。
人生の棚卸しをすることで、時間を大事に、相手を大事に、言葉を大事に出来る。素晴らしい内容だと思いました。
そして、終活をスタートしようと決意しました。
|終活とは
「終活」「終活準備」というキーワードを、耳にする機会も多くなってきたのではないでしょうか。
終活とは【自らの人生の終わりに向けた活動の略語で、自分が亡くなった際の葬儀、お墓、遺言の準備や、財産相続、身の回りの生前整理などを行なうことを指す】と言われています。
ある調査においては、全国の60代・70代の方1,000名を対象に「終活」という言葉の認知を尋ねたところ、80%が「知っている」と回答しました。実施状況について尋ねると、「終活(にあたること)」を「すでにやっている」方は8.9%、「近いうちに始めようと思っている」方は8.5%、「時期が来たら行いたいと思っている」方は56%でした。合わせて74%の方が、「終活」に関心を持っていることがわかりました。- 市場調査メディア ホノテより –
|終活の重要性と価値
「明日、死を迎える」という考えは、イメージしにくいかも知れません。私も最初は、イメージすることができませんでした。
また「死を考えること自体があまりにも非常識で、且つ、ネガティブ思考である。けしからんことだ!」と思われる方も、少なからずおられると思います。
でも、病気やケガ、事故や老衰も含め、必ず死は訪れます。
終活を行なっていれば、もし万が一を迎えた時「終活で準備した資料(エンディングノートなど※下記で説明)」の存在は、残されたご家族やご友人にとって、とても大きな役割となる、大変ありがたい資料となります。
あなたが旅立ったあとのことをイメージすることが終活の始まりです。エンディングノートの書き方などを知ることで「終活の重要性と価値」というものを、きっと感じていただけることでしょう。
|終活の代表的な5つの取り組み
1:エンディングノートを書く
2:葬儀の準備をする(葬儀社や葬儀プラン、生前での契約、遺影撮影など)
3:お墓の準備をする(霊園の決定や墓石・デザインの決定など)
4:遺言書を書く
5:身の回りの整理をする(生前整理)
|エンディングノートに書く内容
エンディングノートは、いつでも書く事ができ、いつでも何回でも書き直すことが出来ます。「書いてみよう。」そう思って書くことが終活の第一歩。
エンディングノートは遺言書とは異なり、法的資料ではありません。あなたの人生を棚卸しする資料です。いくらでも書き直しができます。
・今日は資産について書いてみる。
・明日は家族に伝えたいことを書いてみる。
・明後日はお墓について書いてみる。
・来週は会っておきたい人を書いてみる。
・今月には「やっておきたい100のこと」を書いてみる。
人生を見つめ直す良いきっかけになります。
あまり深く考えず、気楽に、ゆっくり、人生を振り返ることができるのが終活の良いところです。5つの項目の詳細例をご紹介します。
1:あなたに関すること
└・本籍地
・生年月日
・健康保険証や年金手帳、保険証券、パスポートといった重要書類の保管場所
・家族の名前や家系図
・PCやスマホなどのパスワード関連
2:親戚や友人に関すること
└・入院時や葬儀の時に知らせてほしい「親戚や友人の名前と連絡先」など。
3:資産に関すること
└・預貯金について(銀行名や口座番号)
・年金について
・不動産、有価証券、骨董品、貴金属などの資産について
・人に貸しているお金
・人から借りているお金(借入先、担保の有無)
・継承者について
4:葬儀について
└・ 菩提寺の名前と連絡先
・葬儀の形式と予算
・喪主になってほしい人
5:お墓について
└・希望する埋葬方法や墓地
・予算
・事前に用意している場合はお墓の所在地
・お墓を継承してほしい人
|それぞれの終活
近年は「万が一のため」だけではなく、「家族のため/将来のため」と終活に取り組む方が増加中です。「何から始めればよいのか分からない」という方を含め、ご相談者様に合わせたサポートを実施しています。
遺産相続等の専門職を有するご相談は、弁護士/税理士等のご紹介をさせていただいております。
終活のご相談は、終活ライフケアプランナー資格保有のキャリアワークスステーションへ、お気軽にご相談くださいませ。